赤いシミは皮膚ガン予備軍?! 肝斑は消せないの?!
皮膚ガンといえば黒いイメージです。
ところが、赤いシミに見える「ガン一歩手前」のシミのようなもの、があります。
そして、なかなか消えないシミの肝斑。
今回は、この厄介な二つのシミの違いや原因、そして、対策を見ていきましょう。
赤いシミ=皮膚ガン?
赤いシミは日光角化症と呼ばれる状態です。
赤いシミは皮膚ガンではありませんが、皮膚ガンになる可能性があります。
顔にある赤いシミは、将来ガン化する時限爆弾かもしれません。
思い当る点がないか、チェックしてみましょう。
日光角化症チェック
- 赤いシミがカサカサしている、または、かさぶたのような感触
- 日光に当たって数か月経過しても、肌が赤いままの状態
- 冬なのに肌が赤くなる
痛みなどの自覚症状があることは稀で、気づきにくいのも特徴です。
赤いシミの原因と正体は?
皮膚ガン予備軍の赤いシミの原因は、ズバリ紫外線です。
紫外線には波長の長さでUV-A、UV-B、UV-Bと分けられています。
UV-AとUV-Bが主に肌にダメージを与えますが、肌の深部までダメージを与えるのはUV-Aです。
UV-Aが危険なのは、肌にダメージを与えると同時に活性酸素を発生させ、体の細胞の修復機能まで破壊してしまうことにあります。
破壊されてガン化した細胞は、体の修復機能によって大量の免疫細胞が送られ、血管が太くなります。
肌の表皮は約0.2ミリと薄いため、それが赤いシミに見えるのです。
この段階ではまだ赤いシミは日光角化症であり「ガン未満」に留まっています。
赤いシミは、肌に鎮静化したガン細胞が休眠している状態です。
ですから、いつ皮膚ガンになってもおかしくはありません。
日光角化症は60代以上の方に多いといわれています。
紫外線を浴びてきた期間等が原因として挙げられます。
ですが、屋外の仕事や肌が弱い等、人によって環境や体質が違うため、どんな人でも赤いシミ発生の危険はあります。
もし赤いシミが日光角化症だったら…?
もし自分の赤いシミがあり、日光角化症の疑いがあれば皮膚科へ受診しましょう。
治療法
塗り薬
イミキモドという成分が配合されたクリームで治療します。
塗ると治療経過中、赤みが広がりただれたようになりますが、薬がちゃんと効いているとこのような状態になります。
液体窒素療法
患部を液体窒素で凍らせて切除します。
治療にはかなり痛みがあり、患部を切除するのに複数回の治療が必要です。
赤いシミはなかったけど…
赤いシミがなくて一安心した方も、肝斑はどうしたらいいの?と思うかもしれません。
肝斑だった場合は、家で根絶するのは難しくなります。
簡単!肝斑チェック
- 30~40代にシミが目立ち始めた
- 頬骨に沿って左右対称、またはにじんだようなシミがある
- 妊娠経験がある、またはピルを長期的に服用している
- 美白ケアで効果がない
- 洗顔、顔のマッサージはしっかり行う
- レーザー治療で効果がない、または悪化した
- 強いストレスを抱えている
チェック項目に当てはまると肝斑の可能性があります。
これらの項目を見ても肝斑が、普通のシミと違うと感じられたのではないでしょうか?
肝斑の原因とは?
肝斑の原因は詳しく分かっていませんが、女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」が関係していると考えられています。
黄体ホルモンは、シミの原因となるメラニンに作用します。
ホルモンバランスや生活が変化する年代や、妊娠・出産、ピルの服用などは女性ホルモンのバランスが通常と異なるため、肝斑ができやすくなります。
肝斑ができる原因がホルモンにあるため、通常のケアでは改善せず、またレーザー治療でも改善できない、もしくは悪化する場合がほとんどです。
また、ストレスも女性ホルモンに作用するため、肝斑ができやすくなります。
では、肝斑は一度できてしまうと消せないのでしょうか?
肝斑治療はどこに行くべき?皮膚科では保険が適用?!
肝斑は、女性ホルモンによって引き起こされると考えられるため、専門機関を受診するのがおすすめです。
皮膚科では肝斑に保険が適用される場合もあるので、一度は受診されることをおすすめします。
治療法は主に内服薬です。
その際に処方されるのが「トラネキサム酸」です。
効果を安定させ高めるために、ビタミンCなども処方されることがあります。
トラネキサム酸はサプリメントでも購入可能ですが、本来トラネキサム酸は止血、炎症を抑えるための薬です。
そのため副作用や飲み合わせなども、注意した方が良いでしょう。
赤いシミと肝斑。原因は違えど対策・予防は共通
ガン予備軍の赤いシミと肝斑ですが、普段から配慮すべきことは「紫外線」「摩擦」と共通しています。
紫外線対策
赤いシミも肝斑も紫外線によって、肌のダメージが大きくなりますし、肝斑はメラニンが刺激されシミが濃くなります。
どちらの症状にも紫外線を浴びると状態が悪化していきます。
日焼け止めクリームを塗る
やはり基本は日焼け止めクリームです。
紫外線で特に有害なのがUV-Aでしたね。
紫外線は冬に減少し、UV-Bは夏と比較すると約5分の1まで減少しますが、UV-Aは2分の1ほどしか減少しません。
ですから、日焼け止めは季節関係なく必要です。
日焼け止めクリームに表記してあるSPFとPAの値を確かめて、目的別に使い分けましょう。
SPF:UV-Bブロックの指数で、数値が高いほど日焼けしにくくなります。
値の目安は日焼け止めクリームを塗らない時の20分と比較した場合です。
表記にSPF 30とあれば20分×30 = 600分で10時間は日焼けをしにくくなる、ということです。
PA:UV-Aのブロック指数です。
PAは数字ではなく「PA++++」と記載してありますね。
+が多いほどUV-Aへのブロック効果が高くなります。
近所へお出かけ程度ならPA+~++」で大丈夫です。
屋外のイベント等なら「PA+++~+++++」が良いでしょう。
こまめに塗り直すと効果も長時間継続されます。
身に着けるものをUVカット品にする
衣類や帽子などもUVカット製品を利用するのも良い方法です。
目から紫外線が入るとメラニンが刺激されるので、UVカットサングラスやメガネもおすすめです。
雪国にお住まいの方は、紫外線の照り返しに注意しましょう。
雪からは80%と高い数値で紫外線が照り返されます。
周囲すべて油断禁物です。
摩擦
肌への摩擦の影響は、思っている以上に大きいのです。
肌を強く擦ると肌が炎症を起きます。
炎症が起きると、炎症部分を修復するために活性酸素が発生しダメージを受けます。
また、メラニンも働くためシミができやすくなります。
洗顔
洗顔は毎日のことですから、ここはポイントです。
泡立てネットなどでツノが立つぐらいまで石けんを泡立て、指を使わないぐらいの気持ちで洗いましょう。
すすぎもぬるま湯で優しく、泡を落としましょう。そして顔を拭くときも優しくポンポンと拭きましょう。
マッサージ
クリームやオイルを必ず使用して行いましょう。
目の周りなどは特にデリケートな部分に注意して行いましょう。
日常生活にある摩擦
お化粧やクリーム等を塗る時なども注意です。
気がついたら止める、を繰り返して改善していきましょう。
まとめ
危険な赤いシミや肝斑は早期発見、早期対応が一番の予防策です。
また、健康な生活を送る普段の心がけも大切です。
笑顔で生活できるよう、毎日の積み重ねを大切にしましょう。