春の訪れ鼻のムズムズ・目のかゆみ。花粉症はヴァセリンで乗り越える!
春が近づくにつれ、桜も咲き始め、風も爽やか。
爽やかでいられないのは、花粉に反応する目・鼻・肌。
俳句では春の季語になるほど、国民的大打撃を与えている花粉症。
そんな、わずらわしい花粉症をふつうのワセリン(ヴァセリン)が、グズグズの鼻水や涙目から助けてくれるかもしれません。
ワセリンは石油由来の油
どこでも購入できる身近なものですが、もともとの原料は石油。
石油と聞くと黒い、ドロドロの液体で燃料になるイメージですよね。
ワセリンは、石油に含まれる化学物質から抽出して、人体に無害で安全に使用できる状態にまで不純物を取り除き、精製度を高めてできた油です。
ワセリン自体には薬効はなく、それは人体に特に影響を及ぼす成分がないともいえます。
ですから、子供から大人まで使用できます。
また、様々な成分を足して、薬や化粧品のクリームの基礎にしている場合も多くあります。
ですが、薬効のないワセリンが、どうして花粉症対策になるのでしょうか。
花粉症対策はワセリンの性質がポイント
ワセリン最大の武器はベタベタ?!
ワセリンには、特有のベタベタした質感、固さがあります。
そのため、塗ったところに花粉がくっつき、体への侵入を防いでくれるのです。
肌がベタベタするのは困りものですが、それが花粉対策の最大の武器になっています。
肌や粘膜が直接外気と触れることが減ると、花粉やほこりなどの接触も減らせます。
ワセリンは、花粉から体を守る粘着材のようなものです。
また、このベタベタによって、外気と肌が遮断されるため保湿効果も生まれます。
上手に使って、花粉症対策の強力な味方にしましょう。
ワセリンが効果を発する花粉症状
こうした、ワセリンのベタベタと固さは、花粉症の代表的な症状のくしゃみ、鼻水、かゆみなどの症状の軽減が期待できます。
では、どのようにワセリンを塗ると、効果を最大限発揮できるのでしょうか。
ワセリン効果を最大に発揮する塗り方
ワセリンを花粉症対策に利用するには、量と塗るタイミングがポイントです。
涙目、グズグズ鼻になる前にしっかり防御できる量、塗るタイミングを押さえて、季節の変わり目を乗り越えましょう!
ワセリンを塗る前に…
手を洗い、きれいにしましょう。手は意外と汚れています。
季節の変わり目で敏感になっている目や鼻、そしてワセリンに雑菌などを繁殖させないためにも、手を清潔にしましょう。
目をガード
目を花粉から守るには、目の周りに塗るのが効果的です。
少量を目の周りに塗ります。
少量といっても、目の周りにまんべんなく塗れる量が適量です。
花粉が目に入る前に、ワセリンの粘着力で花粉の侵入を防ぎます。
量が多いと、目に入る可能性があります。
基本的に、人体に無害ですが、目の中に入ると炎症が起きる場合があります。
鼻をガード
鼻の周りに塗ると、鼻に花粉が入るのを防ぐことができます。
その場合、量は目より少し多めに塗るのがポイントです。
小鼻、鼻の穴周り、鼻の下も含めて全体的に丁寧に塗りましょう。
鼻にワセリンを塗ると、花粉を防ぐ以外にもメリットがあります。
花粉症で鼻水が止まらなくなり、ティッシュで鼻をかみ続けていると、摩擦で鼻の周りが赤くなってしまいますよね。
鼻の下に塗ると、油分で摩擦が小さくなります。
それに加えて、保湿効果で皮膚の赤みも抑えることができます。
鼻の奥もしっかりガード
鼻の穴の中にもワセリンを塗ることで、花粉の侵入を二重に防ぐことができます。
鼻の穴の中も粘膜ですが、目のように炎症が起きることはほとんどありません。
鼻の中に塗るときは、一度鼻をかんで鼻水を追い出してください。
それから、綿棒などで鼻の奥までしっかり塗りましょう。
鼻をかんだら、ワセリンが落ちてしまうので再度塗り直しましょう。
綿棒で塗るときは、力を入れ過ぎて粘膜を傷つけたり、鼻の奥に綿棒を深く入れ過ぎないように注意してください。
また、呼吸の妨げにならないように、塗る量も加減してください。
塗るタイミングは外出前・日中・寝る前がベスト!
ワセリンで花粉症を軽減させるには、塗るタイミングも重要です。
1日のうちで花粉と接触する前と、ワセリンの効果が薄れる時間帯に、塗りなおすのが効果的です。
- 外出前:出勤や帰宅前など、外出する前に塗ります。外出以外にも花粉やほこりが多く飛んでいそうな場所に行く前には、忘れず塗りしましょう。
- 日中:ワセリンの効果が薄くなるのは塗ってから3~4時間後です。その時間帯に塗り直しましょう。余裕があれば日中に1~2回塗ると効果的です。外出用に小分けした容器を持っていくと、いいかもしれませんね。
- 寝る前:寝る前にもひと塗り。花粉症の時期にくしゃみで目が覚めたことはありませんか?これはモーニングアタックといわれるもので、寝ている間に花粉やほこりなどを吸ってしまい花粉症の症状が出た状態です。モーニングアタックに備えて、寝る前に目、鼻に丁寧に塗りましょう。
このように、ワセリンには花粉症を軽減する薬効成分はないものの、使い方を工夫することで花粉症対策ができます。
そしてポイントは、面倒がらずに塗り直すことが大切です。
ワセリンを使うときの注意点
ワセリンは、多様な使い方ができて便利なのもたしかですが、注意点もあります。
精製度の高いものを使う
精製度の高い、白い色のものがおすすめです。
白色ワセリンや、その一種のプロペトなどが精製度の高いものです。
精製度が低いものは、不純物が多く黄色っぽい色をしています。
こちらでも、もちろん人体には無害ですが、人によっては肌荒れを起こす場合があります。
花粉症の時期には、頻繁に肌に塗ることを考えると、より精製度の高いものを使った方が良いでしょう。
油焼けに注意
不純物が多いものは、紫外線を吸収しやすく、油焼けを起こすこともあります。
黄色っぽい色をしているほど、不純物が多くなります。
精製度が高いものも、長時間紫外線を浴びる場合は、油焼けの可能性がありますから注意しましょう。
保管と使用期限に注意
ワセリンには防腐剤、酸化防止剤などが入っていません。
そのため、長時間保存する場合は、直射日光に当たらない場所に保存してください。
小分けする場合も、雑菌がつかないように、清潔なスプーンと容器を使いましょう。
また、変質しにくい油ですが、開封して長期間経過していると、雑菌の繁殖や酸化で変質してニオイがしたり変色したりします。
その場合は、捨ててしまうか、表面をそぎ取って使用しましょう。
必要な時期に使い切って、次のシーズンには新しいものを使用するのが理想です
万能ではありません!
使い勝手のよいのがメリットですが、万能ではありません。
そして、花粉症の治療薬でもありません。
花粉症の方は薬、マスク、メガネなど基本的な対策もしっかり行い、ワセリンは花粉対策の補助策として使うのが良いでしょう。
保湿剤として利用する場合も、外気と遮断することで肌の水分蒸発を防いでいるだけなので、保湿の効能があるわけではありません。
精製度の高いものでも肌荒れが起こった場合は、使用を中止しましょう。
まとめ
季節の変わり目は憂鬱ですが、ワセリンで少しでも気持ち良く毎日を過ごしましょう。
毎日を健康に過ごせると、季節を楽しめる心の余裕が生まれます。
移り変わる季節を、思いっきり楽しみましょう!