頭痛と吐き気を伴う目のかすみ、命に係わる心配な病気5つ!
うっとうしい「目のかすみ」は、早く何とかしたいもの。
ドライアイや疲れ目なら、目薬やアイマスクをして熟睡すれば軽減されますが、「目のかすみ」と一緒に「頭痛」や「吐き気」が現れたら?
これには、緊急を要する大きな病気が、原因であることが多いのです。
頭痛と吐き気を伴う目のかすみの、重大な5つの病気について、原因や対策などお伝えしていきます。
くも膜下出血
くも膜下出血の【症状】
突然に激しい「頭痛」が起こることで知られるくも膜下出血は、同時に「吐き気」、「目のかすみ」はもちろん、眩しさも感じることがあります。
出血するまで全くわからないわけではなく、脳の血管にできた脳動脈瘤で脳神経や脳組織が圧迫されるため、出血する数日前から、「目のかすみ」と一緒に、「頭痛」や「吐き気」が現れることがあります。
くも膜下出血の【原因】
血管に何らかの異常が起こったり、高血圧、血流の変化などによって脳に動脈瘤ができ、これが破裂して出血することでくも膜下出血となります。
動脈瘤のコブが、近くにある「動眼神経」を圧迫し、水晶体の調節が乱れて「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」も起こします。
血管の膨らんだ部分は引き伸ばされて薄くもろくなっているので、命に係わる破裂しやすい状態になっているのです。
くも膜下出血の【予防法】
動脈瘤や血管異常を早期に発見するためには、定期的な受診が最良の予防法です。
動脈瘤は成人の2~6%に見られ、40~50代に多いとされています。
生活習慣では、禁煙、血圧を計る、塩分や油分を控える、野菜をたっぷり摂る、アルコールの飲み過ぎに注意することなどが上げられます。
「目のかすみ」と一緒に「頭痛」や「吐き気」の症状が出れば、すぐに受診する事が必要です。
くも膜下出血の【対策】
外から見えない部分なので、異常があっても「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状が現れず、出血して最悪の状態になるまで気づけないことの方が多い病気です。
くも膜下出血が起こった場合は一刻を争うので、すぐに救急車で専門医を受診しましょう。
脳梗塞
脳梗塞の【症状】
脳の血管が詰まったり、正常時の10%から20%という血流低下の状態が数時間続いたために、脳の一部分が壊死してしまった状態です。
初期の症状として「目のかすみ」と共に「頭痛」や「吐き気」、片目が急に見えなくなることがあります。
ろれつが回りにくくなって奇妙な会話になる、体の麻痺、意識の障害と一緒に動機、めまいも見られます。
脳梗塞の【原因】
血管の動脈硬化が、加齢、高血圧、糖尿病などにより、血管の一部を詰まらせてしまったり、血流を悪くさせて起こります。
また、できた血栓がはがれて脳の血管の一部に流れていき、詰まってしまうことも原因になります。
脳梗塞の【予防法】
高齢者に多く見られる脳梗塞は、加齢や生活習慣が大きく関わっているとされています。
生活習慣の中でも特に食生活を見直し、脂質や塩分の多い食事は控えましょう。
喫煙も大きな誘因となるようですから、できれば禁煙がお勧めです。
脳梗塞の【対策】
「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状を伴う似たような病気に、一過性脳虚血発作があります。
30分程で症状が改善するので一旦は治ったように見えますが、その後に脳梗塞に繋がる可能性が高いので、早めに医療機関を受診しましょう。
脳腫瘍
脳腫瘍の【症状】
「頭痛」「吐き気」の症状が、慢性的に続きます。
腫瘍が肥大して視神経まで圧迫すると、「目のかすみ」などの症状も現れてきます。
脳腫瘍の【原因】
高脂質、高たんぱくの食品の過剰摂取が、脳腫瘍を発症させ、悪化させるリスクを高めることがわかっています。
乳がんや肺がん、骨肉腫から転移する場合もあります。
喫煙やストレスが、脳腫瘍を悪化させるとも考えられています。
脳腫瘍の【予防法】
脳腫瘍の予防も、生活習慣から見直していくことが大切です。
- 食生活が高脂質、高たんぱくの食事中心であれば、野菜やビタミンをたっぷり取る、栄養バランスの取れた食生活に改善しましょう。
- ストレスを抱え込まないために、ストレスを解消する方法を見つけましょう。
- 適度な運動を習慣にして、健康的で規則正しい生活を送りましょう。
- 喫煙も脳腫瘍のリスクを高めるので、喫煙はできるだけ控えましょう。
脳腫瘍の【対策】
初期段階で腫瘍を見つけることが、最良の対策です。
「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
CT検査やMRIで、腫瘍は簡単に発見することができます。
腫瘍が小さければ、大がかりな外科手術を行って腫瘍を切り取らなくても、放射線治療で完治するようです。
緑内障
緑内障の【症状】
眼圧が上がることで目の神経が圧迫され、視野が狭くなっていく病気です。
慢性的な緑内障では徐々に病状が進行するため、これといった自覚症状は現れにくいのですが、急性緑内障では眼圧の上昇が急激なため、「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」などの症状が見られます。
治療せずに放置していると、発病から20年ほどで、ほとんど失明状態になってしまうそうです。
緑内障の【原因】
- 先天的に目の構造に問題がある
- 目の怪我や病気が原因
- 直接的な原因がわからない
上記の3つに分けられますが、3.の直接的な原因がわからないものがほとんどです。
また、無呼吸症候群の合併症としても、「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状を伴う緑内障が見られます。
緑内障の【予防法】
定期的に眼圧を測っておくことが、予防に繋がります。
緑内障は糖尿病網膜症と並んで、失明の危険のある病気です。
水晶体の老化は、40歳を過ぎれば始まります。
「目のかすみ」の症状を疲れ目と放っておかないで、必ず検査をうけるようにしましょう。
「頭痛」や「吐き気」を伴う場合は、特に要注意です。
緑内障の【対策】
急激に眼圧が上がる緑内障発作を起こした時は、早急に眼圧を下げないと、失明する危険があります。
「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状が安定した後は、定期的に通院して眼圧のコントロールをしながら、病気とつきあうことになります。
緑内障は早期発見が大事で、長期的な治療が必要な病気なのです。
眼精疲労
眼精疲労の【症状】
目の疲れだけでなくストレスで自律神経が乱れ、肩こり、不眠、「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」が起こります。
その他にも目の痛みや倦怠感など、多様な症状が現れます。
眼精疲労の【原因】
目に何らかの障害や負荷が継続してかかり、蓄積されたストレスが慢性化していることが原因です。
長時間のパソコン作業、逆まつ毛、ドライアイ、白内障、眼瞼下垂、斜視などが原因になります。
眼精疲労の【予防法】
「たかが眼精疲労」と侮らず、まず目の疲れを取っておくことが「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状を伴う重い病気を防ぐことにも繋がります。
十分な睡眠を取ることが、目の疲れを取るには効果的です。
熟睡すれば光を感じなくなり、眼の中に光が入ってこない状態が眼球を休ませます。
遠くを見たり、目を動かして緊張を和らげることも、習慣に取り入れましょう。
眼精疲労の【対策】
眼球や、眼球周囲を温めましょう。
温めると、血液の流れが促進されて筋肉内の疲労物質が排出され、筋肉も柔らかくなり「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状が緩和されます。
コンタクトを常用している場合は、定期的に眼科専門医に見てもらうことも必要です。
まとめ
万が一の時のために!
気楽に考え安い「目のかすみ」ですが、「頭痛」や「吐き気」を伴うと、重篤な病気が隠れていることが多いのです。
万が一の時にも、自分の大切な目を守れるように、脳梗塞が起こったらここ、緑内障ならこの病院と普段から考えておくと、もしもの時に助かります。
「目のかすみ」「頭痛」「吐き気」の症状が長引いていたら、念のために眼科を受診しておきましょう。
特に自覚症状がなくても、1年に1回は眼科で定期検査をうけておくと安心ですね。