• 投稿日 2017.4.29 - 更新日 2018.3.2

ローカルでニッチな花粉症?!ニセアカシアの花粉症とは!?

春の訪れは、花粉症で感じる…

なんて、こんなに悲しいことはありませんよね。

全国で話題なのは、お馴染みスギ花粉です。

ですが、花粉症の原因植物は、たくさんあります。

中でも、限定された土地や、職業の方に起こりやすい花粉症があります。

それが、長野県に多いといわれている、ニセアカシア花粉症です。

今回は、ニセアカシア花粉症について、お伝えしていきます。



 

ニセアカシアってどんな植物?

「ニセ」と、つくからにはアカシアではない?

その通りです。

「本物の」アカシアは、日本ではミモザと呼ばれる黄色い花が特徴的な植物で、マメ科のアカシア属に分類されます。

一方、ニセアカシアは、マメ科のハリエンジュ属です。

同じマメ科の植物のため、似ていますが違う植物に分類されます。

北アメリカからきたニセアカシア

原産地は、北アメリカです。

和名にハリエンジュとありますが、もともと日本の植物ではありません。

マメ科ハリエンジュ属に分類される、背丈は5m以上にもなる落葉樹で、枝には鋭いトゲがあります。

和名のハリエンジュという名前がついたのも、そのトゲから名付けられています。

ですが、なぜ日本に、ニセアカシアが植えられることになったのでしょうか?

優秀な緑化植物として利用

ニセアカシアは明治時代、緑化政策、防砂林などのために北アメリカから導入されました。

特に、注目されたのが、生命力が強く荒地や岩地など植物にとっては、過酷な土壌でも育つ点です。

土壌が汚染された土地でも、順応力と生命力の強さで良く育ちます。

このような特質のため、ニセアカシアは荒地になった山や土地の緑化には、最適と判断されました。

ニセアカシアの、有名な緑化成功例としては、栃木県の足尾銅山や秋田県の小坂鉱山です。

過酷な環境でも、育つという特質が、緑化に大きく貢献しました。

そのため、全国各地で消化政策、街路樹、河川などに植えられてきました。

長野県も例外ではなく、明治時代に行われた牛伏川砂防工事に、ニセアカシアが植えられた記録があります。

ハチミツになる花として最適

ハチミツの中でも、ポピュラーなのが、アカシアのハチミツです。

実は、アカシアと記載されているハチミツは、ニセアカシアの蜜が原料です。

花は、白または薄いピンク色の、ブドウの房のように花をつけます。

そして甘く、かなり強い香りがします。

このように、ニセアカシアが目立つ花と強い香りを放つのは、虫媒花(ちゅうばいか)という受粉形態をとっているためです。

ニセアカシアは、植物として有益な部分が非常に多く、昔から重宝されてきました。

ですが近年、人間にとって不都合な事実も、徐々に表れてきました。

そのひとつが、長野県民に多いニセアカシア花粉症です。

ですが、ニセアカシア花粉症ってあまり聞きませんよね。

長野県に多いのも、どうしてなのでしょうか?

 

風媒花と虫媒花の花粉の違い

風媒花

風媒花とは、風に花粉を飛ばすことで、受粉を行う花です。

花粉症の原因になるほとんどの植物が、風媒花です。

有名なスギ、ヨモギ、ブタクサ、カモガヤなどの植物は、すべて風を媒体として広く花粉を飛ばします。

そのため風媒花の植物に、花粉症の原因があることが多くなります。

風媒花の特徴としては、花も地味だったり、花の香り、蜜などもほとんどないことです。

植物の見た目は地味なものが多いでしょう。

虫媒花

虫媒花とは、虫に花粉を運んでもらい、受粉をする花のことです。

虫を惹きつけるために、花の色が鮮やかなものや、香りが強い花、また蜜が多い花などが多いのが虫媒花の特徴です。

ですから、風媒花の植物よりも、香りや色に特徴があるものが多くなります。

虫媒花の花粉は、虫の体に付着しやすいように粘着性があったり、風媒花の花粉より大きいものが多いです。

広く花粉が飛ぶことはなく、かなり限定されたエリアで、花粉が飛ぶことになります。

全国的に、ニセアカシアの花粉症が広まらないのは、虫媒花ということもあるでしょう。

 

虫媒花植物の花粉症

ニセアカシアを含む、虫媒花の植物が原因の花粉症は、スギ花粉に比べてとても少ないといえます。

また、ほかの植物の花粉症の時期とも重なるため、特定しにくい花粉症です。

ですから、スギなどが周りにないのに、花粉症のような症状が出る場合は、虫媒花の花粉症の可能性もありあります。

 

ニセアカシアの花粉症状と時期

ニセアカシアの花の開花時期は、5月~6月です。

この時期には、花粉症の原因となる多数の植物があるため、原因特定は困難かもしれません。

ニセアカシアの花粉症状は、次のようなものです。

  • くしゃみ
  • 目・鼻のかゆみ、傷み
  • 鼻水
  • 下痢
  • 腹痛
  • 吐き気

ニセアカシアの花粉症状は、ふつうの花粉症とあまり変わりません。
ですが、人によっては下痢、腹痛、吐き気などを起こす場合があります。
花粉症の疑いがある場合は、病院で花粉症の原因植物を検査するのがおすすめです。

ニセアカシアの花粉症になりやすい人

長野県を含む、全国で以下のような職業や土地の方は、ニセアカシアの花粉症の可能性があります。

 

養蜂家

国産のハチミツの約半分を、ニセアカシアのハチミツが占めています。

そして、その生産量の首位を、長野県が占めています。

蜜を採取するために、ニセアカシアを植えることもあるため、周りにニセアカシアの木が増えることで花粉を吸いこむ量が増え、花粉症になりやすい環境です。

長野県に、ニセアカシアの花粉症が多いのは、植樹率が高いためかもしれません。

養蜂家ではなくても、近くにニセアカシアが多い場合、花粉症になる可能性はあります。

 

もともと荒地だった土地や河川

長野県の牛伏川砂防工事の例にもあるように、もともと荒地だった場所の緑化に、ニセアカシアが植えられた経緯があります。

また、生命力が強いため、河川などに野生化していくケースもあります。

昔、緑化政策がとられた場所や河川近くに住んでいる方は、注意しましょう。

 

まとめ

花粉症の原因植物には様々なものがあります。

長野県に多いニセアカシアの花粉症のように、ローカルな花粉症の可能性は十分にあります。

養蜂家の方のような、限定された職業が引き金になって起こる花粉症もあります。

原因がはっきりしない花粉症の場合は、一度検査してみるのをおすすめします。
 


 

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