川原に!道端に!日本全国に自生するオオアワガエリの花粉症【まとめ】
スギ・ヒノキの時期が過ぎても、花粉症が収まらない…
といったことで、悩んでいませんか?
もしかしたら、オオアワガエリが原因の、花粉症かもしれません。
今回は、スギ・ヒノキの後に起こるオオアワガエリ花粉症について、お伝えしていきます。
オオアワガエリとは
オオアワガエリは、別名チモシーとも呼ばれる、ヨーロッパからアジアにかけて広く自生していた植物です。
日本の在来種ではなく、明治時代に有用な牧草として輸入されたものが野生化し、現在では日本全国のあちらこちらに自生しています。
オオアワガエリの生態と特徴
- 分類:イネ科オオアワガエリ属
- 生息地:全国各地の道端、川原、草むら、道路など
- 背丈:50cm~100cm
- 開花時期:5月〜8月
- 花:白、または茶色で小さく地味
- 花粉の飛ぶ範囲:数百メートル
- 花粉の飛ぶ時間帯:気温上昇とともに花粉が飛散する、晴天時は8~10時がピーク、午後から気温が上昇する日のピークは午後から
オオアワガエリは、緑色でガマに形が似ている植物です。
他のイネ科の植物と同じように、花粉の飛散範囲が狭く限定的ではあります。
ですが、花粉の放出量が他のイネ科の植物に比べて多いため、オオアワガエリが生えている場所には近づかないほうが良いでしょう。
開花時期が5月〜8月なので、スギ花粉症やヒノキ花粉症の次に始まる花粉症です。
気をつけなければならないのは、スギ・ヒノキ花粉症の方は、オオアワガエリの花粉症にもなりやすいことです。
オオアワガエリの開花時期は、梅雨に重なるため花粉は湿気で飛散しづらくなり、症状はいったん症状が落ち着く時期になります。
ですが、北海道など梅雨の影響をあまり受けない地域では、その時期も鼻水や目のかゆみなどの花粉症状に悩まされることになります。
そして、ウサギを飼っている方は1年中要注意です。
可愛いウサギのエサはオオアワガエリ
ペットに、ウサギを飼われている方もいるかと思います。
そのウサギのエサは、チモシーと呼ばれている牧草ですが、オオアワガエリのことです。
ウサギのエサとして、優秀で安価なのでポピュラーなものです。
また、モルモットなど小動物のエサとして、オオアワガエリが使われている場合があります。
これから、ウサギやモルモットをペットにする予定の方が花粉症なら、エサについて調べておいたほうが良いかもしれません。。
オオアワガエリはチモシーという牧草として、今でも牛や馬のエサに採用されています。
畜産や酪農に従事している方は、オオアワガエリを含むイネ科の植物と接する機会が多いため、イネ科の花粉症の方が多いといわれます。
職業病といえばそうですが、イネ科の花粉症は他の花粉症、アレルギーを併発しやすいため、とくに対策が必要です。
オオアワガエリの花粉症状の特徴
オオアワガエリ花粉症の症状
- くしゃみ
- 鼻の症状:鼻水、鼻づまり
- 目の症状:充血、かゆみ、痛み
- 喉の症状:かゆみ、痛み、腫れ
- 肌:肌荒れ、蕁麻疹、湿疹
- その他の症状:咳が出る、くしゃみ、倦怠感、熱っぽい
多数ある花粉症の症状と、同じような症状が出ます。
スギ花粉の時期が過ぎても、花粉症の症状がおさまらない場合は、オオアワガエリが原因かもしれません。
注意したいオオアワガエリ花粉症の症状
オオアワガエリだけではなく、花粉症の原因になるイネ科の植物に当てはまりますが、イネ科の花粉症は、他の花粉症やアレルギーを併発しやすい特徴があります。
イネ科の植物は、他の植物のアレルギー物質と成分が似ています。
それが原因となって、他の植物の花粉症、花粉関連食物アレルギー症候群、口腔アレルギー症候群、食物依存性運動誘発アナフィラキシーなどを、引き起こすことがよくあります。
オオアワガエリ以外の植物の花粉症を誘発
米、小麦、カモガヤ、ハルガヤなどイネ科の花粉症も、引き起こしやすくなります。
イネ科の花粉ピークは、春~初夏と秋の2回あります。
また、花粉症だとはっきりしていなくても、医療機関で検査をするのがおすすめです。
血液検査では以下のイネ科の植物検査ができます。
検査可能なイネ科植物
カモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤ、ギョウギシバ、オオスズメノテッポウ、セイバンモロコシ、ホソムギ、ナガハグサ、ヒロハウシノケグサ、アシ、コムギ(属)、スズメノヒエ(属)、コヌカグサ(属)
花粉関連食物アレルギー症候群と口腔アレルギー症候群
オオアワガエリとアレルギー物質が似た食べ物(野菜・果物)を食べると、口、喉、唇にかゆみ、湿疹、赤くなり腫れる、といった症状が現れます。
これを、花粉関連食物アレルギー症候群といいます。
とくに、口の中で起こる花粉関連食物アレルギー症候群を「口腔アレルギー症候群」といいます。
なんとなく食べたときにピリピリするなど、ちょっとした違和感もアレルギー症状かもしれません。
イネ科の花粉症の方は、花粉関連食物アレルギー症候群の可能性は大いにあります。
治療は、出来るだけ早い方が良いため、まずは医療機関で原因の特定をしてもらいましょう。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは、アレルギー物質のある食べ物を食べてから、約2時間以内に運動を行うと、アナフィラキシーというアレルギー症状が起こる症状です。
アナフィラキシーは、短時間で全身に、蕁麻疹、皮膚の赤み、呼吸困難、咳、腹痛など様々な症状が現れます。
重い場合は、アナフィラキシーショックといい、血圧低下、意識の低下などが起こります。
速やかに病院に行かなければ、命の危険もあります。
警戒すべき食べ物
花粉症を発症している時期には、食べ物にも注意しましょう。
アレルギー症状を起こしやすいのはイネ科の食べ物(とくに小麦)や、果物などです。
- 主食および穀類:米、小麦、パン、うどん、オートミール
- 果物:メロン、スイカ、キウイ
- 野菜:トマト、トウモロコシ
- おかず:揚げ物の衣、カレーやシチューのルー
- 油:コーン油、米油
- お菓子:小麦を使用したお菓子など
- お茶:麦茶、ハトムギ茶、カモミール
- アルコール:ビール、ウイスキー、ハイボール…など
体質によって、注意する食べ物も変わります。
食べたときの感覚が、いつもと違うようなら、気をつけた方が良いでしょう。
オオアワガエリ花粉症の対策
一般的な花粉対策に加え、食べ物、外出の時間帯にも気を配りましょう。
家での対策
- 家の周辺に雑草や茂みがある場合、窓を開けない
- 掃除はできるだけこまめにする
- 帰宅したら、衣服についた花粉を家に持ち込まない
- 空気清浄器・加湿器で家の中の花粉を飛散させない
外での対策
- マスク、メガネを必ずつける
- 雑草が多い場所で運動をしない
- 屋外レジャーには、抗アレルギー薬を携帯する
- 外出は気温や湿度などを考慮する
- イネ科の植物を可能な限り、刈り取るか除草する
地道な対策ですが、とにかく近づかないことと、自分のアレルギー物質を特定しておくことが対策になります。
まとめ
イネ科の植物は、花粉症に始まり、他のアレルギーにもつながります。
花粉症かなと思ったら、病院等に受診しましょう。
花粉症は根治が難しく、生活全般に影響があります。
ですが、毎日を明るく健康に過ごせるように、できることからやってみましょう。